熟成について

ラーメンは、生き物と同じように毎日目には、見えませんが変化し成長しています。 この変化・成長の過程を「麺の熟成」と呼んでいます。特に加水率の高い札幌ラーメンは、 その変化が大きいため大抵のラーメン屋さんでは、製造日から3日〜5日熟成させたものを使用しています。

麺の熟成

熟成されたラーメンの特徴としては、
1 コシが強くなる。
2 麺に透明感が出る。
3 ゆでる時、麺の芯まで火を通しても硬質の食感が保たれる
などがあげられます。

熟成を科学的に見ると小麦粉に含まれているでんぷん分解酵素のアミラーゼやたんぱく質分解酵素のプロテアーゼが水分と適度な 温度で活発に動き出すため、グルテンの形成が良くなりコシが出るとともに、甘味やうま味をつくりだすためといわれています。
ご家庭で手軽に熟成麺を作る方法としては、麺の内側と外側をひっくり返すようにほぐし乾燥を防ぐためラップにくるんで日の当たらない場所に20℃前後で2〜 3日おいてから食べてみましょう。いろいろと実験しながらお好みの熟成状態を探すのも良いでしょう

調理講座へ戻る


 

麺をゆでる

 麺を茹でる時のポイントは、2つあります。ひとつは、たっぷりの熱湯で茹でることと、もうひとつが茹で時間です。

 麺の量が少なくてもたっぷりの熱湯で茹でることが良いのは、麺を入れた時に湯の温度が下がるのを防止でき瞬間的に麺が煮えた状態になるため余分な水分が入らず口当たりを良くすることができるからです。

 麺の茹で時間は、麺の加水率、形状、太さにより微妙に異なりますが一般的に言えることは、麺の主原料である小麦粉には、たんぱく質とでんぷん質があり、でんぷん質は、水に溶けるため茹で時間が長いとどんどん流れでてしまうということです。そのため茹であがりのタイミングを瞬時に把握することが大切といえます。たとえば、麺を箸で取り、親指と人差し指でつぶしてみると中央に白い帯が残ります。この帯の幅がだんだん狭くなって消えた時が、茹であがった状態です。実際は、軽く一本の芯が残る程度の硬めで茹でるのがポイントです。

麺を茹でる手順

麺の茹で方1

  1. たっぷりの熱湯に麺を手でほぐしながら入れ、箸で広げるようにして茹でます。
    (麺の量が少なくてもたっぷりの熱湯でゆで、麺の一本一本が泳ぐような感じでゆでます)
  2. 沸騰して麺が浮いてくればさし水をします。(さし水は、必ず2回)これは、麺の歯ごたえをよくするためと“ゆで”を均一にするためおこないます。
  3. 麺がふたたび浮いてくれば固さを見てすばやく網で上げ、充分に水を切ります。
    (茹で加減は、実際に自分の舌で味ってみるとよくわかります)
  4. 茹でた麺を箸で形をととのえながら折りたたむようにしてどんぶりのスープの中に入れます。

・新しい麺の場合のポイント

熟成されていない新しい麺は、小麦粉本来の旨味が、最大限に引き出されています。あっさり系のスープで麺とスープを味わう場合、ベストな組み合わせといえます。麺のゆで上がりは、通常よりも気持ち早いので、ゆでのびしないように十分気をつけてください。

調理講座へ戻る